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**2011**

2010,1,15


みなさま、今回の日記は本当に「ただの日記」でしかありませぬ。 


初めに申しておきますと、全くと言っていいほど面白い類のものではありません。そちらの方、御承知くださいな。 



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ようやくである。 

つい今しがた、2011年の目標が決まった。 

とある事情で小説を読み始めたことがそのきっかけだ。 

読んだのは東野圭吾の『秘密』という作品である。 

ネタバレになるのはマズイと思うので、詳細には立ち寄らないが、この作品は良い意味で「清水信宏」という人間の価値観を大きく変えるきっかけになった。 


バスの転落事故がきっかけで2人の母子が重傷を負ってしまう。結果的に母は死亡してしまうのだが、娘の身体はなんとか命をとりとめる。しかし、娘が目を覚ました時、その身体に宿っていたのは母、直子の魂だったのである。 


このようにして生まれた奇妙な関係を基軸に、話が展開していくのだが、一貫して夫平介の視点で物語がえがかれる。その表現の秀逸さ、繊細さには終始驚くばかりであった。 

そして同時に、人間としての「格の違い」をマジマジと見せつけられた。 


たった一人の人間がこれほどまでに多くの価値観を表出することができる。 
そしてそれを物語として完遂することができる。 

なんと素晴らしいことなのだろう。 


これを読んで、自分でも世界を作りたいと思った。 


だが、今の自分にそれをするだけの器があるのか、といわれたら首を横に振らざるを得ない。 


まず、第一に必要なのは、「論理」である。 
この論理とは、自分の得意とする、元来論理という言葉の持っている意味での論理ではない。 


人を動機づける、世の中を決定する、広い意味での「論理」である。 
それは時に知識、文化である。 
また、時に宗教であるかもしれないし、それこそ単に因果のこともある。 


言ってみれば「価値観」ということになろう。 


これまでは因果という意味での論理を学んできた。 
当然その世界は無味乾燥している。 
感性の入る余地はほとんどない。 
それは、客観と云う科学に必要不可欠な価値観をもってして語られた、暖かくも冷たい論理である。 


しかし、もう少し視野を広げてみるのも面白いのではないか。 

いや、絶対に面白いはずである。 


だから決めた。人間として「大きな心」をもった存在になるためにも今年一年は、感性を磨こうと思う。 




芸術、文学はいままで自分が触れていなかったジャンルだということは言うまでもない。 

まずはこの二つから始めるのが良さそうだ。 



多くの人の苦しみを解し、喜びをわかちあうことができる。そしてまた、自然の「心」をも明らかにしていく。 


そういう男になりたい。 

そして、その中で自分の世界から見た価値観を創造し現出させてみたいのである。 



だからこそ 



今年一年はそうした歩みの第一歩にしていこうと思う。





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