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それは昨夜のことである。 勉強を終えて床につこうと廊下を渡っていたシンは居間のほうから突然物音を聞いた。 時は5時をまわっていたころだろう。次の日が日曜ということもあり、当然家族全員が寝静まっている時間である。 居間から音がするはずなどあり得ないのだ。 量子力学のテスト勉強に疲労困憊していたから、それを疲れのせいにしても良かった。 しかしながらその音は確かに存在した、そんな気がした。 正直おばけなんて一切こわくないシンではあるが、おそるおそる音が発さられたであろう方向に神経を集中させた。 カサカサっ 確かにまた音がした。 くらい部屋であったが視線を注ぐ……。 一瞬光のようなものが目に飛び込んでくる。 しかし、随分小さいようだ。 恐らく数センチかそこらみたいだ。 嫌な予感 電気を点ける。 出たコックローチ 人類よりもはるか昔から地球上に存在していたといわれるそれは堂々たる存在感。 ピカピカに磨きあげられたボディは申し分ない輝き。 しかし、人類だって負けてはいられない。 我らの叡知が生み出した最終兵器アースジェット その前に、コックローチは数回の噴射でひれ伏してしまった。 高き空を仰ぎみて、天に召されたようす。 命の尊さを知ったシンは、素晴らしきこの出会いに涙を落とし、この犠牲を無駄にしないことを固く誓うのであった。 |